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渚 ふたりで

初夏の風

真夏のギラギラした炎天下の海ではなく
夏の終わりの寂しさを呼び起こす浜辺でもなく
この曲では、夏が訪れる直前のまだ静けさ漂う海が歌われています。
梅雨の晴れ間を縫うようにして一足早く海辺へやってきた
というところでしょうか。
聞こえてくるのは波のざわめきだけ。





この曲に登場する「君」の振る舞いは
まるで小さな女の子のようです。
そういう解釈も有りかな、と何度も考えましたが
どうもやはりこの歌は、恋人同士を歌っているようです。

オフコースの最後の頃くらいから
こんな「少女」のような<相方>(笑)が登場するようになった気がします。
それまでは、同い年くらいの対等な立場の<彼女>が
歌われることが殆どだったと思います。

40代を迎える頃あたりから、小田さんの守備範囲が広がった!?(爆)
.....単に「オヤジ化」しただけ、と言っては身も蓋もありません。
小田さんの曲に登場する人達の年齢の幅広さが
そのまま小田さんの支持層の幅広さを物語っている気がします。

そういえばその昔松尾さんが、大ファンである岩崎宏美さんに歌ってほしいと
イメージして曲を作った際、歌詞を書いた小田さんは
「10代の女の子の気持ちになって一生懸命書いた」
って言ってたっけ。
さすがに女の子になった経験はないでしょうから
その時はうんと頑張って想像力を駆使したことと思われますが
40代の小田さんなら生まれてから40年間蓄積した経験があります。
今なら60年分。
この「渚 ふたりで」を作詞したときには
昔の思い出が詰まった引き出しを開けてみたのかもしれません。

この曲は誰かに依頼されたものではありませんが
等身大のリアルな自分は脇に置いといて
作詞作曲職人モード全開で作ったように思われます。

尚、余談ですが、のちに松尾さんは
実際に岩崎宏美さんに作品を提供しています。
詞も松尾さんが書いたもので、小田さんはノータッチです。

渚 ふたりで_e0064189_056421.jpg
気持ちがちゃんと
伝わっているのか
時々不安になる
若くて不器用な
あの頃
思い出すと
胸の奥が
ツンとする
by kazemiti | 2007-08-29 01:02 | Trackback | Comments(0)

歌と風 空と緑と


by kazemiti