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あなたのすべて

薫風

この曲が「叙情的」と言われる所以のひとつに、
文語調の歌詞があげられます。

<こよなく><類いなき>などの歌詞が、
とってもレトロな雰囲気を醸し出しています。
まるで、小田さんの大好きな夏目漱石が乗り移って、
この曲を書かせたのでは、と思えるほどです。






振られてしまったのか、それとも、
信じていた人に裏切られて一人取り残されたのか。
とにもかくにも、孤独に打ちひしがれたこの曲の主人公の前に、
包容力にあふれた大人の女性が現れます。
彼女は劇的なまでに、美しく鮮やかに登場します。

小田さんの古くからの友人が、
この曲を「絵画的」と評していた記憶があります。
確かに、耳にした誰もが、
鮮やかな映像を脳裏に思い浮かべることが出来そうです。

<初夏の新緑の中から、白い服を纏った女性が立ち現れて来る>

何て明るく希望に満ちた、清々しい場面でしょう。

白い服を着ているのは、主人公にとって
「天使」(救世主?)のような存在であることを象徴しているから、
なんて深読みも出来るかもしれません。

冒頭の話題に戻りますが、
主人公の男性、去って行った女性、新しく登場する女性、
この3人も皆、揃って漱石の小説に出て来そうな人達に思えます。

明治に生きた人達にこの曲を聞かせたら、
どんな反応を示すだろう、と想像してみるのも一興です。

あなたのすべて_e0064189_0294552.jpg
白いワンピースの
裾が
風に翻る様すら
目に浮かぶよう
なんだけど
白いゴルフウエア
だったりして!?
by kazemiti | 2007-05-08 00:39 | Trackback | Comments(0)

歌と風 空と緑と


by kazemiti